幕張ももの木クリニック医療法人社団 凜華会 幕張ももの木クリニック

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便秘

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便秘

学問的定義は難しく、ひとくくりに言えない便秘。それは、色々な環境や個人の因子によって排便が多分に左右されるためです。
それでも便秘を簡単に言うと、排便に悩みを持つ人。回数を加えると1回3日以下といったところです。
つまり、排便に悩みを持つ人は一概に何日ごとに排便があるのか答えることが難しく安定しているひとは少ないです。薬剤便秘、ダイエット便秘、IBS、閉塞性便秘、生理前便秘など日常的な要因で来すことがあります。ストレス、生理、骨盤内の異常に伴い2次的にも生じます。

薬剤は多くの種類があり、便秘の原因・型によってある程度選択します。
逆に多いだけに薬剤選択が難しいこともあり、それぞれの特徴・長期使用を踏まえて薬剤を選択し、内服時期と量を一緒に相談する。長きにわたり一緒に調節するそんな治療です。

便秘の種類

薬剤便秘

胃腸と関わりのない疾患で治療しているつもりが副作用で生じる便秘。鎮痛薬、向精神病薬、鉄剤、降圧剤、利尿剤、抗アレルギー剤などにより2次的に便秘となります。

薬剤耐性便秘

蠕動亢進便秘薬を長期使用すると量が増えて効果がなくなってしまう便秘。便秘薬には大きく分けて2つの機能を期待して処方します。

  • ①緩下剤
    便を柔らかくする下剤
  • ②蠕動亢進薬剤
    腸管運動を促す下剤。特に②の腸管運動促進する薬剤には長期投与に伴いメラノーシス(:腸管筋間の運動神経の障害)を生じ、下剤を増量しないと排便効果がでにくくなる現象(:耐性)を来します。

便秘は腸管機能の問題でもあるので若年者でも関わる疾患です。
一時的な治療であれが②で良いのですが、若年で継続的に治療が必要なことが多いため、耐性の少ない薬剤を排便状況に合せて薬剤の特徴を説明して使い分けて選択・提案します。

ダイエット便秘

便は①食材、②腸内細菌の死骸、③腸管粘膜の老廃物の3つの要素で成り立ちます。
過度のダイエットで食事制限をすると便塊となる食材が減り、腸内細菌叢が崩れ代謝も崩れることから便秘となります。無理な食事制限に伴うダイエットは注意が必要です。

過敏性腸症候群:IBS

楽しい旅行でも気持ちは緊張するので、便通が悪くなることは誰でもよく経験するところだと思います。IBS・機能性ディスペプシア(上腹部愁訴)と便秘の疾患同居がいわれていて、これらデリケートな胃腸の人では、緊張やストレスで腸管運動が低下し便通が途絶えます。
そのため、仕事で排便のタイミングを逸してしまう人、週末にまとまって排便する人もいます。女性が男性の1.6倍の病悩率、夜勤勤務や高学歴者で特に脳腸相関するといわれている現代病なので生活にフィットさせた薬事治療が必要です。

閉塞性便秘

腫瘍になどによる物理的閉塞に伴う便秘。医師が最も注意を要する便秘です。まずは骨盤周囲の診察でレントゲン、内科・婦人科超音波検査、大腸内視鏡検査などで腫瘍病変を確認してから治療を開始します。
薬剤に偏ると知らぬ間に病変を育ててしまいます。方針を決めるファーストタッチだけでもいいので医療機関の受診を勧める理由です。

生活習慣と便秘

栄養の偏り、運動不足、就寝睡眠のリズムの乱れで便秘を来します。
ストレス環境が原因の一つでもありますので、生活習慣と環境を整えましょう。

その他の簡単な注意事項

  • ダイエットや多忙で朝食を抜くと便秘
    →朝食をとることが排便習慣を確立
  • 食事の際に咀嚼回数が少ないと便秘
    →一口の咀嚼回数30回
  • 水分摂取量が少ないと便秘
    →1500mL/日以上の飲水
  • 運動が少ないと便秘
    →活発な運動は日常的に取り入れる
  • 不眠の人に便秘
    →自分にあった良質な睡眠習慣

生理前の便秘

生理前の便秘
生理前の便秘は、排卵後に分泌される黄体ホルモンのため
黄体ホルモンは、腸管運動機能を抑制します。

意外と身近で知られていない生理前の便秘。
周期的にやってくる生理に伴い、月経前症候群(PMS)でつらい思いをしている女性は多く、その中で、便秘やその解消法でひっそり悩んでいる人も決して少なくありません。

生理前の便通異常には黄体ホルモンが関係しています。生理前に子宮内膜を安定させる作用を持つ黄体ホルモンの働きで骨盤内・腸管運動が抑制されます。妊娠が成立すると子宮が大きく腸管を圧迫するだけでなく、黄体ホルモンが子宮内膜を安定させる状況を継続することから黄体ホルモン値が安定持続高値となることで便秘となります。
生理前7-10日間はこの状況となることより毎月便秘を来し、生理になると軟便化する人は少なくないです。
中には市販薬でなんとかしようとする方もいますが、便秘のメカニズムがわからないまま同じ薬を飲み続けても適切な排便管理は難しいでしょう。月経前症候群(PMS)のタイミングで便通が乱れてしまい、便秘や下痢に長く悩んでいるという方は多いです。
受診した際にメカニズムをお伝えして気が付く人が多く、まずは自身のリズムを知ることが重要になります。

PMS

生理が重い人はPMSによる便通異常に関連してさまざまな月経トラブルが生じやすいため、ファーストタッチが婦人科のケースは多いです。
しかし当院では診療科間で情報を密に共有していますので、どの診療科を受診しても問題ありません。多数の診療科がそろっているからこそ、必要に応じて複数の医師による同時診察も可能です。薬剤の作用時間を理解して適した薬剤を利用できれば毎月来る生理と伴う便秘に対しても安心して立ち向かえます。
PMSによる便通異常は、基本的には治さないといけない病気ではありませんが、QOLには非常に密接に影響する状態です。便秘とPMSなどの話をして患者さんの理解を深めながら「生理が終わるまでどうしようか」と都度相談し、気持ちに寄り添って診療しています。

薬剤選択

薬剤選択
薬剤特徴を活かして自分に合う薬剤・量・飲み方の調節を一緒に行いましょう

生理と便秘が結びつかない、病気としての認識がなく医療機関に受診せず相談できない。
薬剤選択と薬剤の特色・使用方法が分かれば市販薬でも管理できるようになります。
治療は服薬による排便管理が中心になります。市販薬の使用も勧めていますが、薬の種類は豊富で特徴を生かした飲み方・使い方もありますので、クリニックでの説明と管理が不可欠と考えています。当院では患者さんと医師がよく話し合った上で治療方針を決定し、それに合わせた薬を出しています。
早期対応することで便秘管理から裂肛・痔核の予防治療、疼痛や下血の不安が解消されます。
数十年と関わる生理前便秘の対処を若いうちから早期相談・早期自己管理継続を目指すことが肝要です。
生理前便秘は正常の女性でも多く経験するところですが、特に子宮内膜症や月経前困難症の人で強く伴います。婦人科の履歴を確認し婦人科と連携して内科で生理周期に伴った薬剤の選択、処方薬材料量の提案、使用薬剤タイミングのなど相談して治療します。
便秘の薬剤も多くいい薬剤がでてきているので選択が自分で選択するのが難しいかもしれません。長期に負担なく便通にあわせた処方は専門医師と相談して方針を決定してから自己管理につなげるのが望ましいと思います。

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