なかなか相談できないデリケートで過敏な場所・・。
でも排便は毎日ありその都度悩む場所・・。
出血したり、痛かったり排便と密接に関連していて、排便不安となりさらに便秘などから悪循環となる方も見受けられます。原因をつきとめ、当院では肛門カメラで分かりやすくご説明し、排便などの生活習慣から治療・手術までご案内いたします。
いぼ痔 痔核
肛門は便をせき止める目的で筋肉が非常に発達した部位です。便秘や出産によりいきむ頻度が多くなると、筋肉に流れる血管が腫れてきます。諸説ありますが、痔核は血管の腫れあがる出血したり、大きくなると肛門外に飛び出てくるといった症状をきたして悩ませます。血管の腫れは排便管理や内服・軟膏による管理で腫れをコントールすることから始まりますが、出血が多かったり内科的治療でコントロールできなければ、大腸内視鏡検査で大腸病変を除外した後、いぼ痔の手術治療により腫れた痔核を注射で固めたり、切除するといった治療を行います。
手術は日帰りで行います。切除するか注射で固めるか、または併用治療をいたします。術後は内服薬で術後の痛みを一定期間管理しながら、排便管理や傷の管理を通院して行います。
治療の目安:
1-2度:内科治療 2-4度:外科治療
きれ痔 裂肛
肛門が裂けてしまうことにより悩む病気です。裂けるため急性期は“下血” “排便時の痛み” “腫れ“とった症状、慢性化すると”皮膚のたぐみ“ ”肛門のポリープ“ ”潰瘍“などにより肛門自体が狭くなったりいたします。毎日の排便に不安を感じ便秘となり悪循環になり食事・生活にまで影響することがあります。原因は下痢や便秘などの排便によることが多いので、排便異常を来す疾患を大腸内視鏡検査で調べて排便管理を行い、軟膏による局所管理を行います。生活習慣管理を行い繰り返すようであれば、手術で潰瘍部分の切除やポリープの切除を行います。また、慢性化して狭くなってしまった場合には、肛門を拡張したり形成する手術治療を行います。
治療の内容
急性期:内科治療
慢性期:内科治療と外科治療 狭窄・肛門ポリープ治療
膿貯り 肛門周囲膿瘍 痔瘻
肛門周囲は構造的に直腸で便を貯められる機能がある一方で、肛門は筋肉が締まり巾着状となり便が漏れないようにせき止める構造となっています。その境界部はポケット状となっているため便の圧力がかかりやすく、ポケットから細菌が侵入してくることがあります。すると直腸・肛門内に便がとどまらず筋肉の間に便による膿の溜りを形成して“痛み” “発熱”などで苦しむ肛門周囲膿瘍の状態となります。切開して膿み溜りから膿が十分に除去されれば痛みは軽快しますが、細菌の通り道がトンネル状に残りますので“痛み” “腫れ“を繰り返すため大腸内視鏡検査で大腸の炎症性病変を除外した後に手術でトンネルを摘出する根治術を行います。
治療について:
肛門周囲膿瘍に関しては基本的に同日手術。
膿だまりが除去できれば症状は同日に軽快します。
手術適応:痔瘻は自然治癒もありますが、膿瘍形成を繰り返すもの、病悩期間が長期のものは手術治療になります。
術後経過は術式によって変わります。
シートン留置の際は術後1カ月から外来通院で少しずつシートン摘出します。
摘出まで2週間ごとに通院いただきます。おおよそ、術後2-3カ月で摘出されます。
膿皮症
肛門周囲の毛穴や汗腺を中心に皮膚の下層に膿だまりができてしまう病気です。膿だまりに伴い腫れ痛くなり、自然排膿・出血などを繰り返します。肛門の近くにできるのですが、腸管と関連がないのが痔瘻と異なるところですが、痔瘻が原因で膿皮症となることもあります。小さく初発で軽度のものは抗生剤で消失しますが、繰り返すものは手術治療行います。
術後経過は術式によって変わります。
シートン留置の際は術後1カ月から外来通院で少しずつシートン摘出します。
摘出まで2週間ごとに通院いただきます。おおよそ、術後2-3カ月で摘出されます。
挙筋痛・肛門痛
排便に関連なく肛門の奥が痛くなる。膿だまりや切れ痔・いぼ痔、大腸内視鏡検査でがんなどもないのに “お尻の奥が痛い” “突き上げるような痛み“などとして表現され、骨盤に内臓を支える筋肉(:挙筋)が痛む病態です。横になると楽になったり、夕方・運動などに関連して痛みが出現したりします。時には排便にも関連してることがあります。診断したらお薬で管理いたします。多くの患者様は数ヶ月内服継続し改善することが多く見受けられます。
肛門周囲炎
肛門の周りがかゆくて悩む病気です。原因は下痢などによる腸液の暴露や、逆に過度の肛門洗浄などが誘因となります。一度掻きむしり始めると皮膚が剥けてしまいより掻痒感が増悪します。掻痒感は夜間に強く、入眠中に掻きむしってしまうことが多いので、悪循環となり悩ましい病気です。細菌検査を行い軟膏などで管理いたします。
感染症(ヘルペス、コンジローマなど)
“肛門痛“や“肛門のしこり“として自覚されることが多くあります。ウィルス検査を行い診断し軟膏や時には手術治療を組み合わせて治療いたします。