幕張ももの木クリニック医療法人社団 凜華会 幕張ももの木クリニック

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連携診療

三科連携

各科連携の試み

各科連携の試み

骨盤の中には、下部消化管・肛門・膀胱と子宮・付属器の臓器が納められています。狭い空間にある胃腸・肛門・婦人科・膀胱などが関わり症状を来すことが少なくありません。

実は肛門外科と婦人科の両方に関連性がある疾患は多く存在します。例えば月経前症候群(PMS)は、腹痛のほか便通異常も引き起こします。
患者さんの自覚症状も多岐にわたり、下腹部の痛みや出血があっても、その原因が婦人科領域なのか肛門外科領域なのかわからずに受診される方も少なくありません。
そうした場合に三科で垣根を超えて診察し、カルテや口頭で情報を共有しながら疑わしい疾患を相談します。
加えて、消化器内科も肛門外科・婦人科と連携する場面も多いです。
PMSがあると過敏性腸症候群(IBS)も併存していることが多く、下腹部の痛みも虫垂炎など消化器系の疾患の可能性があるため、三科で積極的にフォローしているのが特徴です。

当院では、肛門・消化器の専門医と、婦人科専門医が在籍しており、骨盤内の診療を専門的に診療することが可能です。
普通なら他院へ紹介となってしまうケースでも、当院であればカルテを消化器内科・肛門科・婦人科と共有しながら院内で診療を完結できます。
各科からの視点でなく、症状にあわせた骨盤という臓器としての視点で診療を行うように努めています。

骨盤内の臓器に見られる症状

下腹部痛

お臍よりも下のお腹の痛みには生理痛、子宮内膜症、卵巣捻転、過敏性腸症候群、虫垂炎、胃腸炎、膀胱炎と種々の疾患を生じます。症状が強ければ周囲に炎症が波及し、ますます診断を困難にします。特に虫垂炎、子宮内膜症、過敏性腸症候群、PMSなど日常的に多い疾患ほど消化器・婦人科領域にまたぎ、骨盤内臓炎として排便異常や生理周期に影響を受けるため横断的な視点での診療が必要となります。
また、早い人は40歳頃から始まる閉経前の生理痛の増悪や不正出血の増量など、いつもと違う生理痛を来すこともあるので注意が必要です。

下血

生理による排便異常は多くの方が経験するところですが、婦人科領域の不正出血とおもっていたら腸炎による消化管出血であったり、肛門疾患からの出血であることを少なからず経験することがあります。
生理に伴う便秘による痔核・裂肛の肛門疾患、虚血性胃腸炎、炎症性腸疾患、異所性子宮内膜症などの消化管疾患。婦人科・肛門・消化管それぞれが出血源となりうるので婦人科診察をはじめ、肛門鏡・下部消化器内視鏡検査とそれぞれの診療科で得た情報を共有した診療が必要になります。

月経前症候群(PMS)と便通異常

月経前症候群(PMS)と便通異常

女性の多くが経験している生理に伴う便通の変化です。生理は2種のホルモンの働きで成り立ちます。
その一つのホルモンである子宮内膜を発育・安定させる黄体ホルモンが、生理前になると減少することで生理出血となります。黄体ホルモンの働きにより腸管運動の働きも抑制されるため生理前には便秘傾向となる人が多く、特にPMSの人では強い腹痛を伴う便秘による肛門症状も増悪します。
排便時肛門痛は恐怖を伴うので生理と排便の苦痛を毎月、一人苦悩する方がいます。生理は何十年と関わることであるのでご自身のリズムを早い段階で理解することができ、コントロールできれば生活の質が上がると考えます。長く付き合う疾患であるため、症状の傾向を掴んでから長く使える使いやすい薬剤の選択を一緒にご自身にあった量を提案します。

子宮内膜症・PMS・過敏性腸症候群

子宮内膜症・PMS・過敏性腸症候群

これらの疾患は若年から苦悩する疾患群です。過敏性腸症候群は食生活や生活環境の関連が多く、また生理痛が強く子宮内膜症・PMSを併存する方で特に症状が強く多い傾向にあります。
診察時の問診では、各臓器専門領域の質疑だけでなく横断的なヒアリングで情報を得ます。生理、ストレスや食生活から各症状に繋がることから総合的な診療が必要とも言えます。

肛門・陰部周囲膿瘍

毛嚢炎、バルトリン腺炎、痔瘻、ベーチェット病、クローン病、陰部ヘルペスなどにおより排尿痛や座ることも困難ななるほどの痛みに襲われることがあります。
陰部・肛門と判断し難い部位に膿瘍を形成したり、肛門から膣方向に膿瘍が広がることがあります。肛門・陰部と膿瘍は垣根を越えて広がるので、肛門超音波検査を行い膿瘍や病変の広がりによっては外科的切開治療を行います。
その後、それぞれの専門医による検査・診断を進めることとなります。一度の切開治療で終結するのか、2回の計画的手術が必要なのか、局所の治療以外の治療が優先して必要なのか病態により変わります。

肛門周囲感染症

肛門周囲感染症

ヘルペス、陰部周囲の帯状疱疹、クラミジア感染症、梅毒、コンジローマなど横断的に感染症状を来す疾患で時に複数併存していることも少なくない感染症群です。

コンジローマ

病変の拡がりよっては陰部、会陰と肛門病変の腰椎麻酔下に婦人科・肛門科合同で外科的切除治療を行います。

梅毒

鼠径部などの感染近くの所属リンパ節腫脹と発疹などの全身症状を伴います。

クラミジア

骨盤内膿瘍・内臓炎やクラミジア腸炎による排便異常や消化管出血を来すこともあります。

陰部・肛門ヘルペス

初回は特に疼痛を伴う潰瘍形成や排尿痛があります。

陰部神経に生じる帯状疱疹

神経支配領域の発疹と疼痛。さらに帯状疱疹後痛に伴う尿意・便意異常などを来すことがあります。
骨盤内にとどまらず3科の垣根を超えた全身的なアプローチが必要です。

さらなる五科 内科・外科連携

更年期と代謝異常

更年期と代謝異常

閉経を迎えると、ホルモン変化に伴い更年期症状や高脂血症・骨粗しょう症の代謝障害を伴います。死亡率の1/4は動脈硬化からの脳・心血管障害であることから内科管理が必要となります。

下血と大腸疾患の治療

PMSによる便通障害から痔核・裂肛となれば肛門の治療をご案内します。
骨盤内臓炎・内膜症やPMSの方は腸管の癒着が強い傾向にあるので、下血精査の大腸検査は寝ている間に行う(鎮静)大腸内視鏡検査をお勧めします。
その際に大腸ポリープがあれば切除します。

肛門周囲膿瘍

クローン病・潰瘍性大腸炎:肛門・陰部のみならず継続的な消化器内科治療が必要です。
痔瘻:切開排膿処置に加え計画的な2次的外科的根治術の介入が必要です。

性病

コンジローマ:陰部・肛門2科合同同時切除、肛門管内伸展による外科連携を行います。

帯状疱疹

内科的治療と疼痛ケアを行います。

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